確定申告を行っていない自営業者(事業所得者)について,休業損害が一部認められた事例 

被害者属性

性別 男
年代  70代
職業 自営業
住まい/事故現場 北九州市

事故態様

自分 自転車
相手 自動車

事故時の状況概要 接触事故

傷病・症状

部位・症病名 手指等

保険会社提示額

治療費,慰謝料 110万円

獲得賠償金額

治療費,慰謝料,休業損害等 170万円

事件概要

被害者は自営業者であったが,確定申告を行っていませんでした。通院終了後,保険会社から示談提案を受けましたが,休業損害が全く認められておらず,また一部過失相殺も行われていました。
受任後,本人の営業帳簿や領収証を基に事業収支実績表を作成し,これに本人の治療状況を勘案した休業率を乗じて休業損害を請求したところ,休業損害を一部認める内容で示談が成立しました。また,過失相殺も行われませんでした。

相談のきっかけ

保険会社からの示談提案に不服があったため。

担当弁護士のポイント

自営業者(事業所得者)の休業損害については,一般に「事故前の申告所得額」が基礎収入として採用されることが多く,申告を行っていない場合には基礎収入の認定に困難を覚えることが多いものです。また,賃金センサスに基づく認定もあり得ますが,本件では実態との解離が大きく,妥当でないと考えられました。
本件では,被害者の営業帳簿や領収証等が残っていたことが幸いし,また客観的にある程度合理的な算定方法により収入を算定したことが,解決に繋がったと考えます。

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