交通事故解決事例 「頸椎捻挫14級9号獲得事案」 

1 事故状況

走行中の自動車に後続自動車が追突し、依頼者が頸椎捻挫などの傷害を負った事故です。

2 事故後の経過

⑴ 治療費支払いの打ち切りとその後の対応

頸椎捻挫などの症状が強かった依頼者は整形外科でのリハビリと投薬治療を継続していましたが、事故から半年後に相手方任意保険会社から治療費の支払いを打ち切られました。依頼者に症状を確認したところ、痛みは少しずつ改善されているが、まだ痛みが残っているということだったため、保険証を使用して治療を継続することをアドバイスしました。

その後、1か月の保険診療を行ったところで症状固定の診断を受け、後遺障害診断書を作成してもらいました。ちなみに、症状固定の診断を受けたものの痛みが残っていたため、依頼者はそこから約2か月、自己負担で治療を継続しました。

⑵ 後遺障害等級非該当の判断

車両損害も大きく、治療が半年以上続いてたため、少なくとも14級9号の後遺障害等級が認定されるだろうと考えて被害者請求を行ったところ、意外にも後遺障害等級非該当の決定を受けました。なお、治療自体の必要性は、保険会社が治療費の支払いを打ち切った後の分も含めて7か月分全て認められました。

3 異議申し立て

これだけ大きな衝撃を受けた事故であるにも関わらず非該当というのは不合理だと考えたので、依頼者の意向も確認した上で異議申し立てを行うこととなりました。

病院から診断書や診療報酬明細書(レセプト)以外のカルテなどの医療記録を取り寄せ、診療経過を明らかにしました。そのうえで、依頼者の痛みに関する訴えが事故直後から一貫して続いていること、強い痛み止めが継続して処方されていることを異議申立書に記載しました。また、ドライブレコーダーの画像などを提出し、事故時の衝撃の大きさも明らかにしました。さらに、事故によってどれだけの痛みが生じ、具体的に日常生活にどのような支障が生じていたのかについて、依頼者の陳述書で明らかにしました。

このような活動が奏功し、14級9号を獲得することができました。これにより、自賠責保険金75万円が追加で支給され、相手方の任意保険会社からも200万円を超える賠償金を獲得することができました。

4 感想

他覚所見がない頸椎捻挫(むち打ち症)などであっても、事故の衝撃が大きく、半年程度治療を継続しているような事案では、適切な申立てや異議申し立てを行うことにより後遺障害等級14級9号を獲得することができます。

一度後遺障害等級非該当の決定を受けたとしても、そこであきらめることなく、適切な異議申し立てを行えば、自賠責保険の決定内容が変更されることはあります。自賠責保険決定結果に納得できない方は、交通事故事件について研鑽を積んでいる弁護士へ相談されることをおすすめいたします。

当事務所は、弁護士保険未加入の方でも、交通事故の相談については初回相談料無料で相談を受け付けていますので、一度相談されることをおすすめいたします。

弁護士  上野 直生

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