交通事故における立証責任と事故態様の立証

1 はじめに 交通事故の被害者になった場合,事故によって被った損害を加害者に請求することができます。 裁判で損害賠償請求をする場合には,被害者は,事故態様や損害の内容,損害金額を,裏付ける証拠を提出して証明しなければいけません。特に,過失割合や事故と傷害(障害)との因果関係について争いがある場合には,事故態様がどのようなものであったかが非常に重要です。また,保険会社等との示談交渉の場面 続きを読む >>

物損に関する慰謝料について

物損事故の場合,原則として,財産上の損害の賠償に加えて慰謝料は認められません。これは,物損について本人が精神的損害を被ったとしても,その精神的苦痛は,財産上の損害の賠償を受けることによって慰謝されると考えられているからです。 但し,限定的なケースに限られますが,以下のとおり,物損に関連する慰謝料を認めた裁判例もあります。   ・加害者が運転する車両と衝突し,被害者所有の 続きを読む >>

交通事故における代車費用

1 はじめに 交通事故により車やバイクの修理・買替えが必要となった場合,修理や買替えまでの期間に代車を利用することがあります。交通事故被害に遭い,代車が必要になったのだから,当然に相手方に請求することができるかというと,そうとも限りません。 代車費用が事故から生じた損害として認定されるためには,①代車を使用する必要性と,②代車を使用する期間の相当性が必要となります。以下,それぞれの要件 続きを読む >>

交通事故と労災保険について

1 はじめに 通勤中や就労中に交通事故にあった場合,労災保険の適用を受けることができます。 一方,交通事故にあった場合,強制加入保険である自動車損害賠償責任保険(以下,「自賠責保険」と言います。)からの支払を受けることができる場合があります。この場合,どちらの保険を先行して利用すべきなのか迷われる方も多いでしょう。自動車損害賠償責任保険と労災保険では,以下の違いがあります。 &n 続きを読む >>

業務中の交通事故の賠償金、会社に求償できる?

1 民法715条1項は,「ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」として,いわゆる「使用者責任」を定めています。例えば,トラック運転手が業務として運転中に起こした交通事故について,事故の被害者は,運転手本人だけでなく,その雇い主である会社に対しても損害賠償ができるという意味です。 2 この規定によれば,以下の2つの問題が生じ 続きを読む >>

示談交渉成立後に後遺症が発覚した場合

 交通事故に遭い,相手方(保険会社)と示談が成立した後に,予想できなかった後遺障害を発症した場合,その後遺障害に関する損害賠償を求めることができるのでしょうか。 通常,保険会社と示談交渉をする場合,保険会社としては事件の終局解決の趣旨で,清算条項(被害者と加害者は,お互いに債権債務を有していないことを確認する条項)もしくは,権利放棄条項(被害者は示談交渉で決まった内容以上の損害賠償を請求しな 続きを読む >>

交通事故加害者になった場合の刑事裁判も保険で対応できるかも

もし,交通事故を起こした加害者になってしまった場合,あなたならどうしますか。 近年,弁護士費用を補償してくれる弁護士特約付きの自動車保険が多くの保険会社で用意されています。 他方で,交通事故の加害者には,民事上の損害賠償の問題だけでなく,刑事上の責任,行政上の責任など,様々な責任が課されます。そこで,2019年から,一部の保険会社において,自ら起こした交通事故が刑事事件担った場合の弁護 続きを読む >>

通院交通費

治療のため通院した際にかかった交通費を請求する場合、どれだけのものが認められるのでしょうか。 原則として、バスや電車等の公共交通機関を利用した場合の料金となります。病院までの往復に要する料金に通院日数をかけて算出します。 自家用車を利用して通院した場合には、ガソリン代や駐車場代などの実費相当額が認められます。ガソリン代は概ね1㎞あたり15円で計算されています。高速道路を利用した場合、そ 続きを読む >>

交通事故の自覚症状と他覚症状

 交通事故の後遺障害の認定をしてもらう際に,医療機関の所見(診察した医師による判断や意見。)が必要になりますが,所見は大きく分けて自覚症状と他覚症状に区別されます。 自覚症状とは,体の痛み,痺れのように,被害者がご自身で感じている症状を言います。この自覚症状を他覚所見(医師が視診,触診や画像診断などによって症状を裏付けることができるもの)で裏付けることが後遺障害等級認定上重要となってきます。 続きを読む >>

交通事故の治療中にまた交通事故に遭ってしまったら?

交通事故に遭い、数か月治療していたところ、また別の交通事故に遭ってしまって症状がさらに悪化してしまったり、治療が長引いてしまうというケースが稀にあります。 この場合、被害者としては、二つの事故の加害者に対してどのような請求ができるのでしょうか。 先に起きた事故を第1事故、その後の事故を第2事故として説明します。 まず、第2事故の発生の時点で、第1事故の任意保険会社の対応は打ち切ら 続きを読む >>