過失割合に納得できない 

過失相殺とは、損害の公平な分担の観点から、事故態様について被害者にも落ち度がある場合には、その程度に応じて当事者間の過失割合を決めて、その分を損害賠償額から控除することをいいます。
例えば、交通事故による損害額が100万円の場合、被害者の過失割合が3割だとすると、被害者に支払われるのは、3割を控除した70万円になります。

 過失割合は自動車の運転において,通常求められる程度の注意義務に違反した程度によって判断されます。過失割合については先例が蓄積され、ある程度典型的な事故のパターンについては基本となる過失割合が決まっています。もちろん、あくまで基本の過失割合なので、個別に修正する必要があります。実務では「東京地裁民事交通訴訟研究会編『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』別冊判例タイムズ38号」に基づき判断されています。
 自賠責保険の場合も、過失相殺の制度は適用されますが、被害者側に重大な過失があった場合にだけ、過失相殺がされます。自賠責保険の過失相殺の割合は一定です。例えば死亡事故の場合の過失相殺の割合は、20,30,50%の3段階、傷害事故の場合は20%と決まっています。

 保険会社が、できる限り少ない損害賠償金で終わらせたいがために被害者側が納得できない金額や過失割合を提示してくる場合も少なくありません。保険会社から提示されている過失割合に疑問がある、納得ができないという方は、弁護士等の交通事故の専門家にご相談ください。