1 交通事故によって自動車が損傷し、修理もしくは買い替えが必要となった場合、修理期間、買替期間中は、代車の利用が可能です。代車の利用について、問題点をいくつかご説明します。
2 代車の必要性
仕事のために自動車を使用していた場合(通勤用や社用車など)には、代車の必要性が認められやすいと言えます。
もっとも、運送会社のように、一定数の運送用自動車を保有している会社の場合に、1台の運送用自動車が事故を起こしたとしても、直ちに代車の必要性が肯定されるわけではありません。会社が保有する他の自動車で代替できる可能性を検討しなければならないためです。
自家用車の場合はどうでしょうか。公共交通機関を利用すれば、不都合がないという場合には、代車の必要性が否定される場合もあります。
代車の必要性が認められない場合でも、代替交通機関を利用せざるを得なくなった場合、その分交通費の支出が事故前より増えていることになりますので、差額を請求できると考えられます。
3 代車の相当性(代車の種類)
代車として利用できる自動車は、事故車と相応のものでなければならないとされています。レンタル料が高額となる高級車を代車として利用する場合などに問題となります。
4 代車利用の期間
修理期間は通常、1週間~2週間というところですから、代車利用の期間もその期間内に限られることになります。もっとも、海外からの修理部品の取り寄せが必要な期間を考慮に入れて半年近くの期間を認めた裁判例もありますし、保険会社からの賠償方針が示されるまでの期間、修理・買替えに着手することができなかった場合に、方針が示されるまでの期間を考慮に入れて代車利用の期間を認めた裁判例もあります。
5 まとめ
以上でみてきたとおり、代車の利用に当たって利用が認められるか、どのような自動車の利用が認められるか、どのくらいの期間の利用が認められるかなどの問題点があります。
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