交通事故により重度の後遺症が残った場合(例えば寝たきりの状態になったり、身の回りのことが自身でできなくなるなどの状態になったとき)、ご家族で介護をしたり、介護してくれる人を雇ったりしなければならなくなります。
その場合、将来にかかる介護費用についても、加害者に請求することができます。
いくらくらいの介護費用が認められるのかですが、介護の主体、介護の程度によってかわってきます。
たとえば、職業付添人(介護者を雇った場合)は、1日当たり相当額(8000円~24,000円の範囲)、近親者が付添いを行う場合は、1日あたり2000円~8000円程度の範囲で認められています。
この金額を平均余命までの期間分、中間利息を控除して請求することができます。
介護の程度については、随時介護の場合には常時介護よりも低額な(2500円ないし3000円程度)介護費用が認定され、看視の場合には通常の介護費用よりも低額になります。
自賠責保険においては、介護費用が認定されるのは、後遺障害等級1級及び2級に限られています。しかし、それに至らない後遺症であっても、例えば高次脳機能障害では、日常生活動作は自分でできるものの、認知障害や常道傷害のために、近くで見守り、声かけをしなければ社会生活を送れないような場合もあります。
そこで、必要性が認められる場合には、3級以下であっても将来介護費が認められています。
私が担当した事案でも、交通事故により高次脳機能障害を負い、後遺障害等級3級と認定された事案で、介護費用1日につき、5000円が認められました。ヘルパーさんが毎日行くなどして、ご本人の生活を援助している事案でした。
高次脳機能障害については症状や程度がそれぞれですので、介護の程度に応じた費用が認定されます。
重度な後遺障害を負い、将来について不安に感じておられる場合、介護費用も請求できることを知れば少し安心材料になるかもしれないですね。
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