後遺障害認定について

 Aさんは,交通事故に遭い,整形外科医院に通院していましが,事故から数か月経った頃,まだ痛みが残っているにもかかわらず,相手方の任意保険会社から,治療費の支払いを打ち切ると言われました。そこで,Aさんは,私(弁護士)と検討した上で,症状固定とし,後遺障害分について自賠責保険へ被害者請求をすることにしました。 ところが,その後,Aさんが通っていた整形外科医院の医師が,Aさんが骨折などしていなか 続きを読む >>

代車使用料

1 交通事故によって自動車が損傷し、修理もしくは買い替えが必要となった場合、修理期間、買替期間中は、代車の利用が可能です。代車の利用について、問題点をいくつかご説明します。 2 代車の必要性 仕事のために自動車を使用していた場合(通勤用や社用車など)には、代車の必要性が認められやすいと言えます。 もっとも、運送会社のように、一定数の運送用自動車を保有している会社の場合に、1台の運 続きを読む >>

所有権留保付・リース車両の損害賠償請求者と、修理未了の損害賠償請求権の有無

まだ自動車ローンの返済途中であるにもかかわらず交通事故にあって自動車が損傷してしまいました。 Q1 車検証上も所有者ではなく使用者にすぎません。このような場合に自動車の修理代等の損害賠償請求をすることができるでしょうか。なお、自動車がリース車両の場合はどうでしょうか。 A1 できます。 ちなみに、以下のような判例があるので参考までに引用します。 「まず、被控訴人は所有権留保 続きを読む >>

事前認定(一括請求)と被害者請求(16条請求)について

後遺障害等級認定申請には、事前認定(一括請求)と被害者請求(16条請求)の2つ方法があります。事前認定は、加害社加入の任意保険会社が必要書類等を取りまとめて自賠責保険会社に後遺障害等級認定申請書を提出する手続きであり、被害者請求は、被害者が必要書類等を用意して自賠責保険会社に後遺障害等級認定申請書を提出する手続きです。2つの方法にはそれぞれ以下のメリット・デメリットがあるので、検討のうえ、どちらの 続きを読む >>

車両の評価損について

1 評価損の一般論 交通事故で車に傷が付いた,あるいは故障が生じたような場合,そのことで車の市場価値が落ちてしまうことが考えられます。これは車両の経済的評価の低下,いわゆる評価損の問題です。 評価損が生じた場合,事故の相手方に対しては,実際にかかった修理費用のうち一定割合の賠償請求を行えます。その割合については,車両の登録後の経過期間,走行距離等の諸条件に左右されますが,裁判実務上は3 続きを読む >>

その示談金、増額できるかも?

 「相手方保険会社と交渉中ですが、今の金額で同意して良いのでしょうか。」 このようなご相談は、交通事故関係の中で最も多い相談内容の1つです。 私が今回ご依頼を受けた方は、歩行中に交通事故に遭われた、高齢の男性です。交通事故により骨折し、1か月弱の入院と3か月の通院を行いました。治療が終了して示談交渉を始めたところ、保険会社からは、示談金として約40万円が提示されました。 しかし、 続きを読む >>

交通事故によって必要となった介護費用について

交通事故により重度の後遺症が残った場合(例えば寝たきりの状態になったり、身の回りのことが自身でできなくなるなどの状態になったとき)、ご家族で介護をしたり、介護してくれる人を雇ったりしなければならなくなります。 その場合、将来にかかる介護費用についても、加害者に請求することができます。 いくらくらいの介護費用が認められるのかですが、介護の主体、介護の程度によってかわってきます。 & 続きを読む >>

自賠責の被害者請求

「自賠責の被害者請求をしたいのですが、通院した病院から、治療費の支払をしてもらわないと書類を出せませんと言われました。どうしたらいいでしょう?」との相談を受けました。 自賠責保険には、被害者の請求により、治療費を病院に直接支払ってもらう制度があります。自賠責保険の請求書にもそのような記載があります。そこで、病院に請求書のひな形を見てもらい、治療費が直接支払われることを理解してもらった結果、書 続きを読む >>

「仮渡金」制度とは?

自賠責保険には「仮渡金」という制度があります。 事故に遭ったとき、相手が任意保険に加入していれば通常、任意保険会社が治療費を直接病院に支払ってくれます。そのため、治療費を気にせずに通院でき治療に専念することができます。 しかし、自分の過失が大きく任意保険が対応してくれない場合や、相手方が任意保険に加入していない場合には、治療費を自分で支払わなければなりません。 もちろん、相手が自賠責 続きを読む >>

減収がない場合の逸失利益

1 逸失利益とは 交通事故により後遺障害を負って,事故前と同等の就労をすることが出来なくなり,その結果本来得ることができるはずであった収入を得ることが出来なくなる場合があります。例えば,交通事故で身体に麻痺が残ってしまい,事故前のように働くことが出来なくなったために,それまでと同じ程度の収入を得られなくなったという場合です。そのような場合に,交通事故被害者は,事故がなければ将来において得るこ 続きを読む >>