1.どの弁護士に依頼しても結果は同じか?
弁護士の中でも,「交通事故事件は誰がやったって一緒だよね。」と言っている弁護士が存在します。
また,そのように公言しなくとも,そのような考えを持っている弁護士が数多く存在するかもしれません。
本当に,交通事故事件はどの弁護士が扱っても同じ結果が得られるのでしょうか?
私は,自信を持って,「誰がやっても同じではない」と断言します。
確かに,交通事故事件は,損害と過失割合を算出しさえすれば,とりあえず請求することができますし,相手方が任意保険に加入していれば,あまりに不合理な請求でない限り,保険会社が賠償金を支払ってくれるので(裁判で認められる水準よりは低額になる傾向がありますが),弁護士にとってそれほど難しい部類の事件ではないと考えるのかもしれません。
しかし,損害一つとっても様々な重要な論点が含まれており,過失割合も「別冊判例タイムズ38」という種々の事故類型の過失割合を整理した文献(裁判でも引用します)だけでは明らかとならない様々な裁判例が存在します。
また,損害額の算定において重要となる後遺障害等級の認定手続においても,充実した被害者請求や異議申立てを行うためには,十分な知識と経験が必要となります(後遺障害等級の認定については原稿12~15を参照)。交通事故事件は誰がやっても同じと考えている弁護士は,交通事故事件の奥深さ,難しさに気づいていないだけなのかもしれません。
2.当事務所の特徴,ポリシー
⑴50年にわたり被害者側代理人一筋
当事務所は,平成30年(2018年)で設立50周年を迎えました。
事務所設立以来,原則として法人と顧問契約を締結することなく,所属弁護士は,一貫して,労働事件であれば労働者側,医療過誤事件であれば患者側,行政事件であれば市民側,公害事件であれば被害者側の弁護士として活動してきました。
もちろん,交通事故事件についても被害者側の代理人として活動しており,損害保険会社の代理人となることはありませんし,損害保険会社との顧問契約も一切行なっていません。
交通事故事件に限っても,このように徹底して,被害者側の代理人として活動するスタンスを取っている法律事務所はそれほど多くは存在しないと思います。
損害保険会社との顧問契約があると,当然のことながら,当顧問契約先の害保険会社に対する請求事件を扱うことはできません(利益相反が生じます)。
⑵交通事故事件への取り組み
当事務所は,弁護士15名が所属する九州でも有数の規模の事務所ですが,設立から50周年を迎え,年間の相談件数も200件を超えています。
これまでに積み上げてきた実績に加え,さらなる弁護技術の向上にも努めています。
具体的には,事務所内で交通事故に関する勉強会を開催したり,日弁連や弁護士会主催の交通事故研修に参加した弁護士を通じて情報を共有したりするなどして,日々,交通事故事件処理に関する研鑽を積んでいます。
また,困難な事案については,複数の弁護士で対応したり,全弁護士が参加する弁護士会議においてカンファレンス(事例検討)を行なったりしています。
3.最後に
交通事故事件はどの弁護士に依頼しても同じ結果が得られるほど簡単なものではありません。
交通事故被害の適正な回復を目指すのであれば,交通事故事件について専門性の高い弁護士へ相談することをおすすめいたします。